「ヴェルサイユの宮殿と庭園」 ブルボン王朝の優雅な宮廷生活を今に伝えるヴェルサイユ宮殿

フランスの観光と言えばやっぱりパリ。パリ市内の観光も見どころが多くて何日あっても足りないくらいですが、パリ郊外にも外せない観光ポイントがあります。それが1979年に世界遺産に登録された「ヴェルサイユの宮殿と庭園」です。アクセスも簡単ですし、半日あれば観光できるのでぜひ足を延ばしてみたいところです。17世紀に太陽王と呼ばれたルイ14世が築いた豪華絢爛という言葉がぴったりのヴェルサイユ宮殿には年間約600万人もの観光客が見学にいくそうです。ヴォール・ヴィコント城のお披露目パーティに招かれたルイ14世が、お城の豪華さに驚いて怒り、これを凌ぐ豪華な宮殿を作りたいと命じたのがヴェルサイユ宮殿なんです。もともとルイ13世が狩猟用に作った邸宅だった場所に、莫大な費用をかけ、長い年月をかけて当時の最高の職人たちを招いて作らせて完成した宮殿とフランス式の庭園は最高傑作と言われています。ルイ16世の時代まで王の住まいとして使用されたあと、ナポレオン一世の時代に増築され、1837年ルイ・フィリップ王の時代にフランス歴史博物館として生まれ変わり、1995年以降に国の管轄になりました。

ヴェルサイユ宮殿へのアクセス

パリにある日本語OKの旅行会社などがオプショナルツアーを出しています。パリ市内からバスに乗って往復し、日本語のガイドさんも同乗しているので安心、入場チケットの購入に並ぶ必要もなく、ヴェルサイユ宮殿内でもしっかりガイディングしてくれるのでより理解が深まります。時間がないので効率よく周りたい、個人で行くのはちょっと心配、という方はオプショナルツアーがおススメです。ツアーは苦手、時間に追われず好きなだけ観光したいという方は個人で行きましょう。RER線のC線に乗って約40分で、「Versailles Rive Gauche」まで、そこから徒歩約10分です。SNCF国鉄の場合はパリ市内のSaint Lazare駅から「Versailles Rive droite」まで約30分、そこから徒歩20分です。トータル時間はほぼ同じなので、滞在ホテルからどちらが乗りやすいかによってチョイスしましょう。

ヴェルサイユ宮殿の入場チケットについて

メインとなるヴェルサイユ宮殿、トリアノン宮殿、マリーアントワネットの離宮、庭園の四つに区分されています。時間がたっぷりある場合は「パスポート」の購入がおススメです。全ての入館、入園料金が含まれているうえに、日本語のオーディオガイドもついています。1日券と2日券があり値段はあまり変わらないので、ヴェルサイユに滞在する場合は2日券でじっくりくまなく見学するのもいいですね。時間がない場合は、ヴェルサイユ宮殿のみのチケットもあります。夏の観光シーズンには、チケットを買うのに大行列、その上入場前のセキュリティも厳しいのでかなり時間がかかる場合もあるので、時間の余裕をもっていくのがベスト。18歳以下の子供は無料なのが嬉しいですね!

ヴェルサイユ宮殿の見どころ

ヴェルサイユ宮殿は2つの翼棟からなる左右対称の3階建てで、見どころの殆どは2階に集中しています。見どころはたくさんありますが、中でも有名なのは鏡の回廊。電気がない時代、ろうそくを多用して鏡をたくさん設置する事で広く見せる工夫、そして明るく見せる効果がありました。マリーアントワネットが使っていた寝室や王の寝室、王室礼拝堂や王室オペラ劇場など宮殿内の見学を終えたら、宮殿の裏側に広がる100万m²の大庭園に
出てみましょう。造園名師アンドレ・ル・ノートルによるフランス式庭園の最高傑作と言われ、幾何学模様の花壇、運河、噴水、彫像などが華やかです。もともとヴェルサイユには水が通っていなかったので、セーヌ川から巨大な水車で水をひいて噴水や池を多用した庭園を造りました。

ヴェルサイユ宮殿でお茶タイムを

広いヴェルサイユ宮殿内を見学していると、喉も渇けばお腹もすきますよね。敷地内にはいくつかのカフェやレストランがありますが、中でもおススメなのは今や東京にもお店があり人気のサロン・ド・テ アンジェリーナです。寒い時には看板メニューのホットチョコレート、暑い時にはアイスチョコレートドリンクで疲れを癒しましょう。朝食からサンドイッチ、キッシュやオムレツなどのフランスらしい軽食メニューも豊富です。マリーアントワネットが好んだ離宮プチ・トリアノンにももう一店舗のアンジェリーナがあり、食事はできませんが、お茶とケーキを楽しむ事ができます。

ヴェルサイユ宮殿でお土産を買う

ヴェルサイユ宮殿内には何か所かお土産コーナーがありますが、出口近くにあるお土産屋さんが一番品ぞろえも良くて充実しています。マリーアントワネットがプリントされたグッズは、漫画「ヴェルサイユのバラ」世代じゃなくても、思わず可愛い!と声が出てしまうくらいです。またお土産屋さんの反対側にマカロンで有名なLADURÉE(ラデュレ)も出店しています。パリ市内でも買えますが、ヴェルサイユ宮殿観光の記念にここで
買うのもいいですね。意外とすいているのでおススメです。もし時間があれば、ヴェルサイユの町中に出てみると、どことなく優雅な雰囲気のお店が目につきます。王侯貴族の狩猟の場として愛されてきたこの街、ヴェルサイユ宮殿建設以降は、フランス王政の実質的な首都として機能していただけあって、王宮文化の影響が強く残っているといいます。ヴェルサイユのメインストリート、パロワス通りにはブランドショップ、香水ショップ、ロクシタンやプチバトーなども並びます。パリとはちょっと違った雰囲気の中でお土産を選ぶのも楽しいですよ。