世界遺産モン・サン・ミッシェル
「海上のピラミッド」とも呼ばれるモン・サン・ミッシェルは1979年に「モン・サン・ミッシェルとその湾」という名称で世界遺産に登録されました。
フランス北西部のサン・ロマ湾の孤島にそびえ立つモンサンミッシェルの美しさは、辺りの潮が満ちるように心も満たされてしまいます。
モンサンミッシェルについて知れば知るほど大好きになります。そんな期待を裏切らないモンサンミッシェルについてご紹介していきましょう。
モン・サン・ミッシェルの歴史
モンサンミッシェルはもともと「モン・トンブ(墓の山)」と呼ばれ、先住民のケルト人が信仰する聖地でした。
言い伝えによると、司教オベールの夢に大天使ミカエルが現れ、「あの岩山に聖堂を建てよ」と命じましたが、オベールはただの夢だと思って信じませんでした。しかし、3度目の時にオベールの頭に指を突っ込むという強硬手段でお告げを示しました。翌日、オベールは自分の頭に穴が開いていることに気づいて愕然とし、ようやくお告げが本物だと確信しました。そして小さな聖堂を建てると、それまで陸続きだったその場所は、驚くことに一夜にして海に囲まれる孤島になったといいます。
それから966年にカトリック教ベネディクト会の修道院が建てられたことをきっかけに、造営が繰り返されて大きくなっていきました。
14世紀に起こった英仏100年戦争などで戦いにも巻き込まれて荒廃していきましが、ナポレオン3世の勅命により1865年、現在の美しい形に修復されました。修道士が戻ったのはそれから100年たった1966年のことになります。
今では世界遺産にも登録されて知名度も上がり、現在は年間300万人近い人々がここを訪れています。中には巡礼者もいますが、人気の観光地となって多くは観光客でにぎわっています。
潮の満ち引き
モンサンミッシェルを取り囲むサン・ロマ湾は、ヨーロッパでも潮の満ち引きが最も激しい場所と言われています。
潮の満ち引きによって見える姿も違いたくさんの魅力を感じることができます。潮の満ち引く風景を楽しむのもいいかもしれません。
大潮の日時は観光局のカレンダーで確認できるので訪れるときは確認しておくとよいでしょう。
表情豊かなモン・サン・ミッシェル
モンサンミッシェル、あなたはいつ見ますか?
朝、夕方、夜、時間帯だけでモンサンミッシェルのたくさんの表情を眺めることができます。
朝は、朝焼けと一緒に見るモンサンミッシェルは輝きを帯びてまさに幻想的です。
太陽が上がってくるにつれ見える表情も異なります。ひっそりとした静かなやさしいひと時を感じるでしょう。
また、朝の静かな参道や裏通りを散歩したり、島内で朝食をとるのも何だかいい気分ですね。
日が暮れ行く夕方、空はグラデーションになり、水面に映るモンサンミッシェルの影とのペアには感嘆です。まるで異次元にいるような感動を与えてくれます。
太陽が沈み切るまで見逃せません。
夜は格別です。
暗い夜空にひときわ輝くモンサンミッシェルは光に満ちています。ライトアップされ、水面に映ったその姿は神秘的で心も奪われます。
パーティのようなわくわくな気分を味わうことができます。
モンサンミッシェルの外観を見るのであれば、一番のスポットはシャトルバス乗り場です。島まで伸びる橋と、後ろになにもないモンサンミッシェルの全景を眺めることができます。
一日のモンサンミッシェルの表情を楽しむなら現地での宿泊がおすすめです。
参道の魅力
モンサンミッシェルの魅力は全景だけではありません。
前哨門をくぐり抜け、「王の門」を抜けた後、モン・サン・ミッシェル修道院に続く参道「グランド・リュ」には、お土産屋さんやレストラン、ホテルなどが並んでいます。
参道を歩いていると、目を惹くのは楽しい看板の数々。とてもオシャレで魅力的です。
建物やお店に見とれて気分はもう中世にいるようです。
本家のオムレツ
旅には料理は欠かせません。
グランド・リュにある「ラ・メール・プラール」は、オムレツ発祥の店として知られています。まだ離れ島だったころ、引き潮の時に命がけで海を渡ってきた人々へ、栄養をつけてもらおうと出した料理だそうです。
プラールおばさんの作るふわふわのオムレツは素朴な塩味で歴史を感じます。
島には、オムレツを提供するお店が数多くならんでいますが、せっかく遠くからやってきたのですから、本家本元のオムレツを口にしてみたいものですね。
モン・サン・ミッシェル
モンサンミッシェルを訪れて、干潮時に干潟の草を食べている羊にも目を向けてみてください。たくさんいる羊たちはとてもかわいらしいです。モンサンミッシェルと羊のペア写真もなかなかいいかもしれませんよ。
海の中に凛とした佇まいで、屹立している姿、様々な歴史の中で生き抜いてきたモンサンミッシェル、一度は訪れておきたい観光スポットです。