世界遺産 タージ・マハル
インドに足を運ぶのなら、だれもが一度は立ち寄りたいと思うインドの代表的観光スポットです。
お城のように見えますが、この建物は、当時の皇帝が亡くなった妻のために建設した霊廟です。
極限の美を追求して建設された白亜の霊廟タージ・マハルは、総大理石で作られた、世界で最も美しい建造物とも言われています。
地元のインドの方達からも絶大な人気があります。
世界遺産ランキングでも常に上位に入るタージ・マハルには、年間に400万人もの観光客が訪れると言われています。
世界から愛される魅力的な建造物タージ・マハルについて調べてみましょう。
タージ・マハルはどこにあるの
タージ・マハルは、北インドの都市・アーグラという街に建てられています。
アーグラはインドの首都デリーから南へ約200㎞ほどの所にあり、
車では5時間ほど、電車でも特急では2時間ですが、だいたい3~4時間くらいは掛かります。
建物の北側にはガンジス河の最大の支流であるヤムナー川が優雅に流れています。
アーグラには、タージ・マハル以外にも多くの歴史的建造物がが残されているので、
時間が許すのであればアーグラに滞在して、タージ・マハルだけではなく、かつての王国の魅力を満喫すると良いかもしれません。
建設時期と建立の由来
この地で、ムガル帝国というイスラム王朝が栄えていた時代、
ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に遠征先で愛する妃ムムターズ・マハルを亡くしました。
皇帝は大変悲しみ、妃の遺言であった「後世に残るお墓を建てて欲しい」という希望を叶えるために、
贅を尽くしたお墓を建設することにしました。これが、タージ・マハルです。
皇帝シャー・ジャハーンの当時の王朝の力は絶大なものでした。
だからこそ、愛妻を悼んで建てた霊廟は後世にまで残る素晴らしいものになったのですね。
建築様式と美しい宝石
インドで宗教と言えばヒンドゥー教を連想すると思うのですが、この時代、イスラム勢力がこの地域を支配していたので、
タージ・マハルはイスラム様式の建築です。歴史の移り変わりを感じることが出来ます。
美しい庭園も、インドの様式ではない「チャール・バーグ」というイスラム様式の庭園です。
また、贅を尽くした美しい霊廟を完成させるために、世界各地から珍しい石や宝石を集め、
細かな細工を施す工匠達も、世界中から集められたと言われています。
そして、すべての工事が終わるまでに22年かかり、完成したのは1653年でした。
工事には延べ2万人もの人々が集められ働いたと言われています。
美しすぎるシンメトリー
全ての建物の構造はシンメトリーになっています。
中央のドーム、両脇に建てられている4本のミナレット(塔)、美しい庭園、美しい彫刻までもが
全てシンメトリー(左右対称)なのです。
唯一左右比外相なのが、シャー・ジャハーン皇帝とお妃の棺だと言われています。
美しい真っ白な大理石
タージ・マハルは、インド西部ラジャスターン州ジャイプールの白大理石を使っているのですが、
こちらの大理石は汚れが付きにくいことで有名です。
この真っ白な大理石が輝きを放ち、美しく光らせているのです。
美しい象嵌細工
全てがシンメトリーの印象の強いタージ・マハルですが、
装飾などを近くで見ると違う見どころうを発見するでしょう。
それは、象嵌細工です。
美しい白大理石を、繊細な幾何学模様に切りだし珍しい石や黒大理石をはめ込んで作るのですが、
とても細かい紋様なのです。芸術と呼ぶにふさわしい繊細な細工ばかりです。
場所によりデザインの違う素敵なレリーフもたくさんあるので、細かい所までよく見ると世界に引き込まれますね。
当時の職人の素晴らしい技術を堪能することが出来ます。
おすすめの場所
タージ・マハルの周辺には、多くの史跡や廟がたくさんあります。
せっかくなので、そちらへも足を運んでみるのはいかがでしょう。
タージ博物館 シャー・ジャハーンとムムターズ・マハルの肖像画があります
マターブ バーグ公園 川を挟んでタージ・マハルを望むことが出来ます
イティマドウッダーウラー廟 ベビータージと呼ばれています。
アングリー庭園 白大理石庭園で囲まれた庭園です。
アーグラー城 皇帝シャー・ジャハーンが幽閉されていたお城。かつてはこの城から船でタージ・マハルへと向かいました。
知ってますか?観光する時の注意点
タージ・マハルを見学する際には色々注意しないといけないことがあります。
排気ガスによるタージ・マハルの損傷が問題となっており、排気ガスの出る車で付近へ近づくことが禁止されているのです。
少し離れた駐車場から入口までは、歩くか、電動自動車に乗り換える必要があります。
また、持ち込む物にも規制があります。
携帯電話、電池、ペットボトルの水などは持ち込むことは出来ませんので、
持ち物検査の際に預けなくてはなりません。
その際には時間が掛かることもあるので、予定を組む時に覚えておいた方が良いでしょう。
また、大理石の白さを保つために、靴にはビニールソックス等のカバーを被せてから入ることになるのでお忘れなく。
観光の情報
入場料は外国人は1000ルピーです。
営業時間は、日の出から日の入りまで。
金曜日はお休みなので、お気を付けください。
知れば知るほど興味がわくタージ・マハルは素敵な所ですね。
皆さんもぜひ、タージ・マハルへ是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。