「スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュ」 アルプスの山々とアレッチ氷河を迫力満点で楽しめる世界遺産

スイスと言えばアルプス山脈が有名ですが、そこでスイス初となる世界遺産登録地域となったのがスイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュです。
この辺りはアルプスの自然の宝庫となっており、大自然を満喫することができます。
日本ではあまり知られていないスイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュの魅力についてご紹介いたします。

スイス初の世界遺産

2001年に世界遺産に登録されたスイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュはスイスの南西の位置し、ベルン州とヴァレ州に跨っており総面積はなんと539平方キロメートルにも及んでいます。
ここにはビーチホルンやユングフラウ、アレッチュホルンなど9峰がそびえ立ち、その山々は標高4000メートル以上の高さがあります。

山脈ができた成り立ち

この山々ができたのは4000万から2000万年ほど前とされており、アフリカ大陸のプレートが北へと移動したことによってできた隆起した大地がやがて山となって、その後の氷河期によって侵食され、切り立った絶壁になったと言われています。
しかし、近年の温暖化現象によって氷河の縮小が確認されており、19世紀の後半から始まった観測で大アレッチ氷河は約3キロメートルも後退してしまっている状態で、しかもそのスピードは加速していることが発表されました。
そのことに危機感を感じた地元の自治体はエコリゾートに向けて電気自動車以外の車の侵入を禁止するなどの措置をとるなどの取り組みを始めています。

豊かな自然に育まれた動物、植物の宝庫!

意外なことに、ヨーロッパで一番早く春が来るのがスイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュのある地域なのですが、ヨーロッパでは日照時間が長く高山植物も多く分布しています。
北部と南部では生息している植物に違いがあり、ハンノキやニレ、タモ、カバといった広葉樹林が、一方の南部はとても乾燥しているのでパインやスコッツが移植されています。
動物も多く暮らしており、野生のヤギやライチョウ、イヌワシスイスカモシカなどアルプス山脈らしい動物たちの姿を見ることができます。

一番の名所、アレッチ氷河

スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュで特に有名なのが「アレッチ氷河」です。
アレッチ氷河はユーラシア大陸の西半分の中で最大の氷河を誇っており氷河の長さは23.6キロメートル、水の総重量は270億トンととても大きい氷河で驚くべきことにアレッチ氷河は180から200メートルの速さで移動しているのです。
この氷河はアルプス山脈最大の氷河で有名で、一目見ようとこの場所を訪れる観光客も多いです。
氷河の周りにはいくつかの展望台があり、そこから様々な角度で一面の銀世界を楽しむことができます。

大人気!アレッチ氷河のトレッキングツアー

スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュでは氷河の上を歩くトレッキングツアーも開催されており、アレッチ氷河周辺の自然環境についてガイドの方が色々教えてくれます。
トレッキングと言えば日本ではあまり馴染みが無く、長距離や雪が深かったりすると経験者しか体験できませんがこのアレッチ氷河では夏場になると初心者でも氷河の上を歩くことができるツアーが開催されています!
スタート地点はエッギスホルンと呼ばれる場所で展望台があり、フィエッシュからゴンドラを乗り継いで行くことができます。
トレッキングに必要な道具類は主にツアー会社や山岳ガイドの方が用意してくれますが、防寒具やトレッキングシューズは自分に合ったものを用意するのをオススメします。
夏場のコースは岩場の多い下り坂で、道には雪がないので安心して歩くことができます。
氷河以外にも沢山の岩場に咲く花々を見ることができるので道中も楽しめます!
氷河のふちに到着するといよいよ氷河を歩く準備に取り掛かります。
アイゼンと呼ばれる金属製の爪がついた道具を靴に装着し、ザイルというロープで体を繋いで氷河を歩きます。
氷河の上では夏場の日差しで溶けた氷がキレイな青々とした水たまりとや熱で崩れ落ちた氷の美しい断面を見ることができます。

ヨーロッパ一高い駅!

この他にもスイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュで有名なのがヨーロッパ一高い所にある駅です。
クライネシャイデック駅からユングフラウ鉄道に乗り込むのですが、この鉄道のほとんどはトンネルの中で山々の絶景を楽しめる時間は少ないので見逃さないようにしましょう。
この鉄道は上りの際は3つの駅に停車し、氷河や山の絶壁などを楽しむことができます。
終点のユングフラウヨッホ駅の標高はなんと3454メートルもあり、その先の展望台まで行くと3571メートルの高さにもなります。
しかもその展望台へは高速エレベーターで移動することができるので子供やお年寄りでも安心して行くことができるのです。

高い駅にある日本のポスト!?

ユングフラウヨッホ駅の出入り口では日本の赤いポストが設置されているのをご存知でしょうか?
古めの丸いポストなのですが投函するとちゃんと郵便を届けてくれる、れっきとしたポストの役割を果たしているのですが、これはユングフラウヨッホ山頂郵便局と富士山五合目簡易郵便局が姉妹提携を結んでいるためです。
ちなみに、士山五合目簡易郵便局にはスイスの黄色いポストが設置されています。
売店ではがきや切手が販売されているので旅の思い出に手紙を出してみてはいかがでしょうか!

老若男女問わず楽しめる世界遺産

スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュでは意外にも日本との接点があり、広大な大自然も満喫できるとてもいい世界遺産の一つです。
多くの世界遺産は子供やお年寄りには不向きな場所が多いですがこのスイス・アルプス ユングフラウ-アレッチュは体力が無くても十分楽しめる場所なので家族旅行にオススメです。