訪れた人をまず出迎える存在
ケルン大聖堂は、街の玄関口となっているケルン中央駅目の前にあります。歩いて1分という近さです。街を訪れた人がまず目にする存在といっても過言ではありません。ケルンのシンボル的な存在でもあります。周辺には博物館やコンサートホールなど、観光スポットが集結しています。
とにかく大きくて美しい!
ケルン大聖堂は、一目見ただけでその偉大さがわかる建物です。まず、ファザードの正面から写真を撮ろうとすると、全体像をおさめるのは至難の業です。
そのファザードは幅が61メートル、高さ157メートルもあります。そのファザードには玄関が3つ、塔が2つあります。ブロンズでつくられた扉とファザードには無数の美しい彫刻が施されていて、大聖堂の豪華絢爛さを物語っています。見るものを圧倒する大きさもさることながら、その美しさにも定評があるのです。天へと一直線に直立する姿には威厳すら感じます。ケルン中央駅のすぐそばにあるうえ、かなりの大きさなので、駅や列車、線路といっしょに写真におさめるのも定番です。
堂内もさすがの広さです。奥行きは144メートルとなっています。この広さが、崇高さを感じるポイントにもなっています。
大聖堂内も見逃せない
がっしりとして力強さも感じられる石柱に支えられ、広い堂内が構成されています。石柱にも石像が施されていて、そのつくりの細かさにひとつひとつに目が釘付けになります。
ゴシック建築ならではの、圧倒されるような細かいデザインです。
大聖堂の奥、チャペルの前にある東方三博士の聖遺物も見どころのひとつです。まばゆく光り輝く黄金の細工物です。大聖堂の偉大さをさらに伝えるような存在です。
大聖堂内では異質の存在!?「リヒターのステンドグラス」
堂内の、南側にある側廊のステンドグラスは、他の聖堂ではなかなか見ることのできないような変わったデザインです。まるでゲーム画面のドットが集結したような、一瞬見ただけでは何を表しているのか理解できないような見た目です。
それもそのはず、もともとこの場所にあったステンドグラスは第二次世界大戦中の爆撃で破壊されたのち、2007年に修復されたものだからです。もとの姿を復元したのではなく、ケルンゆかりのアーティストであるゲルハルト・リヒターによるデザインで新たにステンドグラスを配置しました。
もとのデザインにしなかったのは、ステンドグラスのデザイン画が保存されていなかったという理由があるためです。リヒターは、コンピューターを使って色の配置を不規則に分散しており、現代的なデザインといえます。ゴシック様式の大聖堂ではひとり異彩を放つ存在ですが、美しさには定評があります。これまでにないようなデザインと大聖堂が調和した結果です。
伝統的なステンドグラス「バイエルン窓」
大聖堂内すべてのステンドグラスが、リヒターがデザインしたような斬新なものというわけではありません。「バイエルン窓」と呼ばれる窓は、1842年にケルンを支配していたバイエルン王ルートヴィヒ1世が寄贈したものです。大聖堂の西側から入り、右手に5枚ある窓がそうです。これらの窓だけ、バイエルンの紋章が描かれているのですぐに見分けることができます。
ステンドグラスには、聖書の内容が描かれています。とくに西側入り口すぐにある窓に描かれた「受胎告知」は、マリアの美しい表情に見惚れる一枚です。ステンドグラスから入り込む光は、あたたかく大聖堂内を包み込みます。そのほか、床にはモザイク画が施され、絵画や彫刻もあちこちに展示されるなど、見ているだけで満足するような空間です。
サグラダファミリアを超える超大作
現在の大聖堂はなんと3代目です。最初の大聖堂が完成したのは4世紀という、由緒ある聖堂です。その次の2代目は818年に完成しました。その後1248年に火災で焼失してしまい、その後すぐに新たな建築がはじまりました。建築がはじまってから800年近くがたっており、この古さはスペインにあるガウディ未完の建築「サグラダファミリア」を超えます(サグラダファミリアは1882年に工事が始まっています)。これだけ長い歴史を持っているにもかかわらず。150メートルをゆうに超える高さ、144メートルにもわたる奥行きを誇ります。
塔からの景色も見逃せない
大聖堂は、ケルンの街で最も高い建物のひとつでもあります。その大聖堂の塔からの景色は見逃すことができません。塔には上ることができ、街を一望することができます。ケルンの街がどうなっているのか、高い場所から眺めてみたいならおすすめの場所です。街を横切るライン川や橋、すぐそばのケルン中央駅とそこを発着する電車を見ることができます。
157メートルの塔の、地上100メートルあたりまで登ることが可能です。その階段の数は533段という驚きの多さ。しかしその先には、思い出になる絶景が待っています。