アマルフィ海岸はイタリア南部、ソレントからサレルノに続く海岸の通称です。切り立った山の急斜面に多くの建物がひしめく世界でも珍しい建築が楽しめる中心地のアマルフィは、かつて海岸に流れ着いた人たちによって作られたもの。
街のシンボルとなる大聖堂は見どころ!
美しい景色には事欠かないアマルフィの街の中でも街のシンボル的な存在が小高い丘の上に立つ「アマルフィ大聖堂」です。アマルフィ大聖堂は十一世紀に建設された建物で、イスラム教世界の影響を色濃く受けたアラブ・シチリア様式による建築物です。アマルフィ大聖堂は美しい海岸線の中に建つ、世界遺産アマルフィ最大の見どころと言われていますが、特におすすめなのは夕暮れ時。というのも、アマルフィ大聖堂は西に向けて建てられていて、海に落ちる夕日がアラブ世界ならではの装飾を施した正門を照らす様子は非常に美しく、「黄金の大聖堂」という異名の理由ともなっています。さらにアマルフィ大聖堂に隣接する「天国の回廊」も見どころの一つ。こちらはもともとは貴族や富裕層のための墓地として建築された建物で、白と緑のコントラストを描いた回廊は非常に有名です。絶好の撮影スポットとしても知られていて、インスタグラムなどではアマルフィ大聖堂の天国の回廊は人気の場所ともなっています。
世界遺産の街を散歩
世界遺産であるアマルフィを訪れたとき、おすすめしたいのが街の中を散策すること。アマルフィは建物が世界遺産の指定を受けているのではなく、約40キロメートルという海岸線と周囲の街並みがまとめて世界遺産として認定されているため、アマルフィを楽しむには街を散策するのがベストな方法です。アマルフィの大聖堂をスタートして坂道を登っていくと、小さな裏道や路地が迷路のように入り組んでいます。さらにその中にレモン畑やパステルカラーに塗られた民家などが次々と現れ、アマルフィの美しさを堪能できることでしょう。実はアマルフィは古代ローマの時代に基礎が作られた街で、あちこちに歴史の息吹を感じることができます。また、お土産屋さんなども多いことから、ゆっくりと時間をかけて歩き回るにはぴったりです。
高級リゾートとして人気のポジターノ
アマルフィは狭い場所に張り付くように立ち並ぶ建物が有名ですが、その代表がポジターノ。ポジターノは最高級のリゾートとしてヨーロッパでも屈指の存在で、豪邸を改装した有名リゾートホテルなどが軒を連ねています。宿泊するのも最高の経験ですが、周囲を歩き回るだけでも高級リゾートの雰囲気を味わうことができます。また、もっとも高い場所にある「神々の道」は、トレッキングロードとして整備されていて、この場所からはアマルフィの美しい海岸線や街並みを見下ろすことができます。朝の早い時間や夕暮れなど、訪れる時間帯によって表情が刻々と変わっていくため、この場所を何度も訪れるのが旅の目的という人も少なくありません。
絶景ばかりのラヴェッロ
アマルフィを訪れる際に、忘れてはいけないのがラヴェッロ。こちらは当時の権力者の邸宅であるルフォロ邸が有名。この広大な建物はローマ教皇の所有となったことでも知られています。また、作曲家であるワーグナーが住んでいたことでも有名な場所で、初夏にはクラシックのコンサートが行われることもあり、周辺に滞在するセレブが集まる様子はまさに映画を見ているような気分を味わえます。それ以外の季節にも、花が咲き誇る美しい庭や、風格を感じるテラスなどもあり、見どころが豊富な場所です。特にラヴェッロは断崖の上に作られていることから「海より空が近い街」と呼ばれていて、空と海の絶景のコントラストも味わえます。
アマルフィのおすすめグルメ
旅の楽しみのひとつといえば美味しい食べ物や飲み物は欠かせないものです。アマルフィ観光に訪れたとき、味わっておきたいのが「リモンチェッロ」です。リモンチェッロは南イタリアを代表する飲み物の一つで、さわやかなレモンの香りが特徴のリキュールですが、その発祥の地といわれるのがアマルフィ。アマルフィは街のあちこちにレモン畑が広がるレモンの名産地ですが、アマルフィで作られるリモンチェッロは特に香りが高く、さわやかな味わいに定評があります。特に冷凍庫などで冷たく冷やしたリモンチェッロはアマルフィの日差しにぴったりの飲み物です。ただし、アルコール度数は30%とかなりつよいお酒なので、飲みすぎには十分に注意しましょう。また、アマルフィは海をのぞむ絶景のレストランが数多く存在することで有名。海が近いことから、新鮮な魚介を使用したイタリアンが味わえるため、美味しい食事に事欠くこともありません。
世界遺産が多く存在するイタリアの中でも、特に美しく、一度は行ってみたいという声の高いアマルフィ。観光の際は、意外に歩き回ることも多いので、歩きやすい靴を履いていくとよいでしょう。